追想

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変わりすぎだよお父さん

私の父は公務員でした。真面目で、面白みもなく、笑顔もない。 遊んでもらった記憶もほとんどなく、楽しく会話した記憶もあまりない。相談もできないし、相談すると怒られていたような気がします。短気だし。 はっきり言って大嫌いでした。 ...
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カモメの背を見ながら㉒

ほんとうは、君が現実だと思っているものは夢で、君が夢だと思っているものが現実なんだ。 バックが書いた「イリュージョン」に、確かこんなような事が書いてあった。20歳の頃から妙にこの文句が好きで、座右の銘じゃないけれどこの言葉を心の中の大...
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カモメの背を見ながら㉑

夕刻。操舵室見学の余韻もそこそこに、客のディナータイムが始まった。相変わらず喉が痛む。右奥歯もしくしく痛む。そんなぼくの体調なぞにはお構いなしに汚れた食器は押し寄せ、皿洗いに没頭せざるを得ない。例の食器洗浄機のコンベアに食器を流す。オオタニ...
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信じないかもだけど心霊話

昔から変な体験をしやすい母、姉、私。心霊とかに興味があったから、勝手に思い込んでる部分もあるかもしれないけど。昔、愛読書は『ムー』だったし(笑) 母が『お線香の匂いがする』と言うと、近所や親戚、母にゆかりがある人が亡くなったりしてたし...
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カモメの背を見ながら⑳

操舵室はシンプルな構造だった。アニメで見た宇宙戦艦ヤマトや、写真で見る現代の航空機のコックピットのように計器やレーダーの類が、おびただしくびっしりと配置されているわけでもなかった。 船長はためしに少し、ぼくとオオタニさんとに船の操縦ハ...
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カモメの背を見ながら⑲

夜が明け、乗船から三週間目を迎えた。いつものように携帯のアラームに仕方なく起き上がると、喉は痛いし頭が痛い。風邪を引いたようだった。そんなぼくのことを見かねて、オオタニさんが風邪薬をくれる。その成分の影響か今日は半日、頭にも身体にもキレがな...
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カモメの背を見ながら⑱

当時付き合っていた彼女に、ニシガワとの成り行きを語る機会があった。 「なんで、みんなあんなに不器用なのかね。どうして自分を偽るんだろう?」 「あなたほど、不器用な人は居ないと思う。」 軽いノリで語っていたぼくに対し、彼女の...
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カモメの背を見ながら⑰

職員室につくとニシガワは、お前、立ってろ。謝るまで帰さんからな、と言い残して自分の机に向かう。担任のオザワがぼくに気づき、面倒を起こしやがって勘弁してくれよ、というような訝し気な目つきでぼくのほうをチラチラ見てくる。本来50人以上いる教員た...
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カモメの背を見ながら⑯

生命だから、生きようとする。この体を構成している細胞には独自の生きる意志がある、持ち主の意志とは関わらず。それは、わかる。だったら何故、生命は存在している。生命に意味はあるのか。このただのたんぱく質のかたまりが意志を持ち感情を持ち生きる。何...
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カモメの背を見ながら⑮

日が沈み、群青色の宇宙のとばりが下りてきた。 夕焼けの暖色から寒色に向かうグラデーションを見かけると、カーペンターズの "Close to You" が聴きたくなる。そしてその光景には宇宙とは生き物なんだと、改めて感じさせられる。宇宙...
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